キャプテン・クック・カントリーとエンデバー号

 −イギリスにおけるツーリズムの一形態−

1. はじめに

 本稿では,ツーリズムは自然的な資源や生態的な現象に関連するだけでなく,文化遺産と結びつき,観光地のイメージが構築されていることを論ずる。イギリスでは,1970年代以降,カントリーサイドでの環境保護活動の高まり,カントリーサイドへの人口環流がみられる。それと同時に,メディアへの関心が高い人々を格好の対象として,カントリーサイドの魅力が観光宣伝のために使われている(Urry, 1990, 1995)。例えば,イギリスでは「シェークスピア・カントリー」,「ブロンテ・カントリー」,「キャプテン・クック・カントリー」といった文化遺産と田園のイメージを組み合わせた観光のための空間が創造されている。

 ツーリストは「ある文化モデルに従って構成または再構成された現実的なるもののイメージを消費するためにそこを訪れる」(西村, 1997, p.213)ならば,そのイメージ構築のあり方を考察することが,文化モデルを探ることにもつながるのではないだろうか。本稿では,キャプテン・クックをテーマにしたツーリズムの形態を検討することによって,いかに観光イベント・観光アトラクションが演出され,享受されているのかをみていきたい。


えりあぐんま第4号』(1997)掲載
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