ブリテン島の端から端まで 

 from John 0'Groats to Land's End

 この言葉は、グレート・ブリテンの端から端までを意味します。

 John 0'Groatsは、厳密に言えば、もっと高緯度の地点が存在するのですが、一般には、スコットランドの最北端と考えられてきた土地です。

 一方、Land's Endは、Cornwallの先端、すなわちイングランドの最西端に位置します。

 左の絵はがきにあるように、この北東端から南西端まで踏破すれば、ブリテン島の端から端までを極めたことになります。事実、両者の間をサイクリングによって走破するためのガイドブックが売られたりしています。

 Land's Endでは1980年代以降、テーマ・パーク化が進みました。したがって、「地の果て」というロマンチックなイメージを抱いていくと失望することになります。テーマ・パーク化には批判もあるようですが、大型の観光バスやマイカーで訪れる大勢のツーリストに対応するにはしかたない一面もあると思います。
 Land's Endの入り口

 園内を散策する人々

 ここには、駐車場、ホテル、レストラン、ショッピング・エリア、プレイランドといった基本的な施設以外に、マルチ・スクリーンや3Dの映像をみせる施設があります。後者に入るには入場料が必要です。これ以外には駐車料金に2ポンドかかるだけです。この海岸線にはパブリック・フットパスが整備されており、Land's Endの土地全部を囲い込んで入場規制することは不可能だからです。

 岬の先の方に行くとLand's End、Isles of Scilly 28、New York 3147、といったサインのあるポストがあります。ここで自分の町の名をいれて写真を撮るには5ポンドもかかります。さすがにここまで商業主義が進んでいるとうんざりします。ただしこれらの喧噪を背後にしてしまえば、雄大な海岸線と大西洋を眺めることは可能です。

 Land's Endの記念写真用のサインポスト

 テーマ・パークを遠望

 一方、John 0'Groatsの地名は、15世紀にオランダから渡ってきたJohn de Grootにちなんでつけられたものです。Land's Endに比べれば、訪れる人も少ない小さな集落ですが、Land's Endを意識した、ツーリスト向けの演出が見られます。First & Last Houseという建物は、Land's Endで人気のあるギフトショップの名前ですが、John O'GroatsのFirst & Last Houseは、「スコットランドの」という形容詞で対抗しています。
First & Last House

The Last House 博物館

 また、Land's Endと同様に、記念写真を撮るサインポストも置かれています。わたしの見ていた限りでは、誰もお金を払って撮影した人はいませんでした。John 0'Groatsは、オークニー諸島に渡るフェリー乗り場でもあり、大半のツーリストは、乗船までの待ち時間をここでつぶします。そのための簡素な観光施設が整えられているのです。
 John 0'Groatsのサインポスト

 桟橋でフェリーを待つ人々


  • 無断転載・無断引用を禁じます。

  • 関戸研究室のホームページへ