今年度の卒論・修論発表会が卒業生を含む多数の参加で開催されました。

 謹 賀 新 年 2013年を迎えました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。本年が穏やかな年であってほしいと願っています。でも、新政権からは、強力なインフレ政策に踏み切り、国債発行に依存した大型公共事業と経済成長路線を復活させ、原発エネルギーを容認し、かつての「日本を取り戻す」との強いメッセージが報じられています。少子高齢社会が訪れ、「成熟経済」を迎えてしまった日本にとっては、まったくふさわしからざるメッセージです。
 歴史はたしかにジグザグの歩みをたどるのかも知れませんが、国民生活と主権者へのリスク転嫁を最小限にとどめるために、この国の政治と経済の動向から目が離せない日々がつづきそうです。

晩秋の一日、楽しく健康な汗をかいて過ごしました。

          夕牡丹しづかに靄を加へけり(秋桜子)

今年度も、よく学び、よく遊んだ1年でした。

4年生のみなさん、教員採用試験合格、おめでとうございます。

ウォール街だけでなく、わが国も世直しの時代が幕開けしたようです。

この国の政府は、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の存在を知らず・知らされず(だが、在日米軍には、SPEEDIによる放射能汚染地域情報は、文科省・外務省からメールで配信されていた)、水素爆発はTVでようやく把握する、住民は放射能を浴びる地域に同心円で「避難」させられた。原発の非常用復水器の停止に現場の誰も気付かず、消防車のホースをつなぐ口さえ知らなかった。東電は、15.7メートルの津波の試算をしておきながら大津波は来ないと判断し、過酷事故は「想定し出すときりがない」、と想定しなかった。(福島原発事故調査委員会の「中間報告書」より

 原発「安全神話」だけでなく、経済の「成長神話」からも卒業する時代が到来した。というのも、現行の経済システムを改革しない限り、経済が成長しても、その成果は、大企業と富裕層に重点的に配分され、中小企業・国民諸階層・地域経済は疲弊しつづける。賃金を底上げし、雇用を安定させ、福祉とセーフティネットを充実させ、消費者ではなく大企業と富裕層に応分の負担をしてもらい、貧困と格差拡大・不安定社会にまず歯止めをかける改革が求められている。

本年度の卒論合宿開催される

今年度も、よく学び、よく遊んだ1年でした。

4年生のみなさん、教員採用試験合格、おめでとうございます。

Update, Jan.4 2011

あけましておめでとうございます。

産業革命後ほぼ2世紀を経て、再び東アジアが世界経済の中心になりつつある時代が訪れています。日本経済は、その流れにどう乗っていくのか。武器輸出をする軍事国家としてか、平和国家としてか。成長優先の企業国家としてか、福祉国家としてか。

日本の貿易総額に占める割合(2009年)=中国20.5%、アメリカ13.6%。最大の相手国はアメリカでなく、中国。中国のGDPは日本を抜いた。やってきた東アジア経済圏時代。日本はどうする!?

卒論合宿の写真をUP---卒論の合宿讃え冬の虹

敷島公園の句碑をUPー群馬県は古くから俳句の盛んな地であった

晩秋の昼下がり、経済学外書講読生とゼミ生は、赤城山麓で親交を深めた

卒業論文・修士論文発表会の画像をアップしました。

上州の山に沈む夕陽<卒論作成合宿地からの眺め>

秋薔薇咲く、夜のばら園敷島公園ばら園

ウォール街の金融危機から世界大不況へいま、世界に衝撃が走っている。金融中心地アメリカのウォール街で、大手金融機関がつぎつぎに破綻している。世界の金融機関は狼狽し、経営者達は、売れ行き不振と株価の暴落に頭を抱えている。欧米では、従業員の大量解雇といった事態も発生している。世界中が金融混乱に巻きこまれ、やってきつつある大きな不況の影におびえている。
 世界の首脳達は鳩首協議に走り、サミットを開催しても、内部での意見の対立を克服できず、効果的な政策が打ち出せないでいる。それは、ほぼ1世紀にわたって続いてきたアメリカを頂点にした世界体制・パックスアメリカーナ時代の終わりのはじまり、ともいえる歴史的な地殻変動を示しているようである。

高校生に出前講義高校2年生を前に出前講義をやってきた。動機は、大学の広報活動の一環だが、はじめて高校生を前に、経済学や経済の講義をした。テーマは、「グローバル経済を読み解こう」である。問題は、17歳の高校生たちに、わかる経済の話をどうやってするか、最初のボタンをどう掛けるか、である。決まった。「オギャーと生まれて始まる経済活動」。人は、この世に誕生した瞬間から、片時も休まずに経済活動を続けなければ生命を維持していけない。ミルクを飲まなければ、衣食住がなければ生きていけない。だから君たちは、生まれてから今日まで、まずは消費者として、自ら経済活動を担っていること、買い物をするたびに税金も払っていること、そうした消費に必要なお金は、父母などの労働によって得た賃金によってまかなわれていること、といった切り口で、最初の難題に取り組んだ。私たちの住む現代日本は、激動するグローバル経済に巻きこまれ、不安定化し、格差も拡大してきているが、1人1人が、自ら主権者として自立し、自分の夢や目的を実現していくためには、公民科としての経済学を学ぶことが大切である。しかも、ここ数十年で、世界の経済地図は激変し、中国をトップにアジア諸国が世界最大の経済圏になるが、いま日本は将来の選択を迫られている。世界には、日本経済の数分の1の小さな経済国でも、豊かな生活をしている国々がある。近年、急速に進展してきた国内経済や地域経済の空洞化をどうやって解消するか、さらに、宇宙船「地球号」の未来に私たちはどう責任を持てばいいのか、といったテーマについて、問題を提起し、みなさんも考えてほしい、と宿題を出してきた。

はじめて経済学を学ぶ人のための入門書刊行ー石部・原田・淵上・山田・渡辺著『経済学の知識から将来を読む』(ヴェリタス書房、2008年4月)は、大学で経済学を担当する5名の教員が分担執筆した平易な経済学の入門書です。目次を紹介します。第1章 経済学へのいざない、第2章 戦後の日本経済の歩み,第3章 日本経済の現段階をみる、第4章 経済計画から経済改革へ、第5章 現代の金融証券システムと金融政策、第6章 現代の財政システムと国債の累積、第7章 貿易と外国為替、第8章 日本の銀行制度、第9章 中国市場経済化への歩み、第10章 現在の中国経済と今後、です。各章ごとに、章のポイント、用語解説、学習の課題、深く学ぶための参考文献、などの案内がしてあります。

今年の夏は、長雨と寒暖の差の厳しい日が続いた。そんな日に、実体験を踏まえた、静かな語らいの秘める、強力なパワーと影響力を証明する映画を観た。自主上映映画「ひめゆり」である。1945年6月23日、沖縄戦を体験した当時の女学生・ひめゆり学徒の生存者のみなさんが、交互に自らの体験を語った映画である。八十路になったひめゆり学徒のみなさんの、勇気ある、たんたんとした体験談は、莫大な制作費をかけたハリウッド映画よりも、戦争とはどんなことなのか、戦争の本質について、たいへんな説得力と迫力で迫ってきた。天壊しエノラゲイ去る8月の空ー越風。

Update, Jun. 2008

新規オープンとなった敷島公園ばら園と薔薇10景群馬大学荒牧キャンパスからそう遠くない敷島公園ばら園は、「全国都市緑化ぐんまフェア」の総合会場となり、2年間の改修工事にともなう閉鎖を経て、新規オープンとなった。600種のバラ、7000株が植栽され、また多種多様な花々が咲き誇っている。3月29〜6月8日のフェアー期間中、延べ100万人の人々がばら園や前橋公園にやってきて、草花やバラを愛でた。日々の暮らしに彩りを与えたフェアーであった。だが、他方で、多くの大木が伐採された。ばら園とは無関係のはずの公園内の桜、ケヤキ、モミジ、夏ツバキ、ヤマモモ、アカシアなどの大木ですら、あっという間に姿を消したことは残念というより、深刻な問題である。永年にわたって敷島公園に親しんできた人々から、厳しい批判が出ているのは、ばら園や公園を改修工事するにあたって意見が聞かれなかっただけでなく、いままで慣れ親しんだ自然を壊して強行したことにもあるようだ。事業が目的なのか、緑化が目的なのか、フェアーの本当の姿が問われている。(写真は雨あがりのバラ一輪)

Update, Apr. 2008

4年生を送り出し、いくぶん閑散としていたキャンパスにも、新入生たちが入ってきて、いつもの賑わいをとりもどした。改めて、教育の目的とは何か、と問いかける。「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」(教育基本法 第1条 教育の目的)。「改正」されたとはいえ、まだまだ傾聴に値する文言と思う。この文言を画餅にしないためにも、先進国並みのヒト・モノ・カネ、そしてトキを教育機関に振り向けよ、といいたい。大学は、経済戦争を戦い抜く将来の兵士を育てるところでなく、企業の新製品の研究開発を引き受けるところでもなく、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」を育成するところである。

Update, Feb. 2008

卒業論文発表会開催されるUP!!ー経済・法律・社会の各研究室合同の卒業論文発表会が2月9日(土)、教育学部N棟大会議室で、朝9時から夕方6時過ぎまで開催されました。今年度は3研究室で総勢15名の4年生が卒論に取り組みました。テーマも盛りだくさんで、議論も沸騰し、予定時間を超過しました。その後、各研究室はそれぞれのコンパ会場に急ぎました。コンパも大にぎわいで、ゼミ生以外の学生もいつの間にか参加し、楽しく有意義な一日となったようです。

耐震補強工事中だった教育学部AB棟の工事が一段落し、今月中に、引っ越します。今度は、クーラーも設置された研究室になりますから、夏でも快適です。団扇で仰ぎながら仕事をする、扇風機の送風で書類が飛んでいく、暑くって、人間だけでなく、パソコンの調子も悪くなる、といったことは、懐かしい過去の記憶となるものと期待しています。

Update, Jan. 2008

あけましておめでとうございます。2008年が、経済成長よりも、公正な分配を!格差でなく、平等を!投機でなく、社会的責任投資を!優先する新年となることを!そして、教育に携わる者は、教育の目的が、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」(教育基本法第1条)、というのも、「我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。」(教育基本法前文)からである、ということを改めて確認したい。

年末の恒例となった経済研究室の卒論・修論作成ゼミ合宿(Photo)を行った。温泉通から推奨される四万温泉での合宿となった。キャンパスからクルマで、1時間半ほど走り、山間の、屋根には雪を載せた旅館に到着した。卒論締め切りまでほぼ一ヶ月、それなりに用意をして臨んだゼミ合宿となった。

Update Dec. 2007

久しぶりに屋外でゼミをやった。荒牧キャンパスにほど近い敷島公園の野外キャンプ場で、焼き芋とバーベキューを楽しんだ。天気も良く、青空の下で、たき火を囲み、もうもうと立ちこめる煙もなんのその、濡れた新聞紙でサツマイモを包み、その上からアルミホイルでもう一度包んでから、たき火の中に放り込み、たき火を囲んで暖を取りながら、焼き上がるのを待つ。箸が刺されば、焼き芋が完成。皆でパクつく。「ウマ〜ィ!」。ついでにバーベキュー用の木炭も、たき火に入れて火をおこす。食欲をそそる焼き肉の香りが辺り一面を包み込み、箸がぶつかりながら、焼けた肉が取り皿に運ばれるや、もう口の中に消えていた。この時期、4年生たちは、各々進路が決まり、それぞれが期待と不安の日々を送っているはずだが、ちょっとばかり、そんなことを忘れて楽しめたようだ。

Update Oct. 2007

再び隣県の新潟県中越地方を襲った大地震「新潟県中越沖地震から3ヶ月近くがたち、被害の全貌が明らかになってきた。震度6強の地震による液状化現象が発生することで、震源地に近い海辺の町・柏崎市の中心街では、地面が波打ち、多くの家屋が倒壊し、道路に亀裂が走り、甚大な被害が発生した。さらに、世界で初めて、原子力発電所を地震が直撃したことである。新潟県知事は、県議会での質問に答えて、調査結果次第では原発の廃炉もありうる、との答弁を行った。被災地の新潟県には、多くの人々や団体からのボランティア活動や義捐金が寄せられている。

 Update Sept. 2007

ホームページのリニューアル

 今回、ホームページを刷新した。数周遅れの設備投資に踏み出し、周辺機器やソフトを更新したからである。愛用のMacは、OSを6年前にバージョンアップしていたが、愛機を新しくすると、いままで使用していたプリンターやその他の周辺機器も更新しなければならず、これは、情報産業によるユーザーへの「強制的な市場拡大」戦略と判断し、少し抵抗しようと考えたからである。もっとも、そんな気持ちもないではなかったが、実際のところ、年々研究費などが削減され、高額機器の購入ができなくなっていたからである。 

 ようやく今年度にホームページ用のソフトも更新したので、6年目にして、ホームページもリニューアルした。すると、そのままコピーしても不具合が発生したり、画像を多用していたせいか、重くなりすぎていたため、今回は、HPのグランドデザインも刷新した。そのポイントは、文字情報を中心にして展開すること、時代の転換点にあって、時代と切り結ぶ情報を積極的に発信すること、教育学部の社会科教育講座にあって、公民的分野としての経済学の教育と研究を深化させることである。とはいえ、ゼミ生と卒業生たちの画像は、今まで通りか、それ以上に整備した。やはり、大学の重要な構成員は、学生諸君である、と考えるからである。

 そのようなわけで、今回のHPの更新は、大部の時間を費やすことになったが、幸い夏期休暇中でもあり、時間がとれた。これまで旧バージョンのホームページに親しんでいただいた方々には、今後ともよろしくおつきあいください。またご感想やご意見などをメールで配信していただければ幸いです。

夏期休暇中の経済研究室の課題=レポート作成

 経済研究室は、夏期休暇中に以下の課題に取り組むことにしましょう。

1. 3年生の課題

 もっとも関心のある経済書1冊を熟読し、その読書感想文を書く

2. 4年生の課題

 自分の卒業論文の構想を具体化し、その骨子を要約してまとめる

3. 大学院生の課題

 自分の修士論文を作成するために必要な資料を数点分析し、その内容を紹介する

 以上の課題について、A4版(1ページ=40字×30行)で5ページの分量をプリントアウトして、後期のゼミ初日に提出してください。

 それでは、また元気なお顔を見せてください。わたしも3月末までに新しい本を出版する共著者として2章文を執筆中です。

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